資産形成

暗号資産の購入まで何段階ある?口座開設・本人確認・入金から注文までの4ステップを解説

2026年9月11日・ためてこ編集部

暗号資産に興味を持ったものの、「どこで何から始めれば買えるのか」「いきなり購入ボタンを押してよいのか」「銀行や証券会社の口座開設と何が違うのか」と疑問を持つ初心者は少なくありません。

ネットや広告では「スマホで簡単」「最短即日スタート」といった表現を見かけますが、実際には法律に基づく厳格な本人確認や、金融機関からの入金手続きなど、いくつかの明確な段階を踏む必要があります。

この記事では特定の銘柄や取引を推奨しません。初心者が最初の取引で迷ったり想定外のトラブルに巻き込まれたりしないよう、口座開設から注文完了までの具体的な4つの段階と、事前に知っておくべき注意点を整理します。

この記事の結論

暗号資産を購入するまでは、「①口座開設の申込」「②本人確認(eKYC)と審査」「③日本円の入金」「④銘柄を選んで注文」の4段階で進みます。スマホ完結の本人確認を利用すれば最短即日〜翌営業日で取引可能になりますが、名義の不一致や入金方法による制限(資金移動制限など)で手が止まるケースもあります。焦らず1段階ずつ確認しながら進めるのが安全です。


1. 暗号資産の購入までにある「4つの段階」全体像

「アカウント登録」「本人確認」「入金」「購入」の4ステップ。株式や投資信託を始めるときの手順と骨格はほぼ同じです。

暗号資産を購入するまでの全体的な流れは、以下の表のように整理できます。

段階(ステップ)主な作業内容必要なもの・準備目安の所要時間
第1段階:口座開設の申込公式サイトやアプリでメール登録、パスワード設定、基本情報の入力メールアドレス、SMSを受信できるスマートフォン約5〜10分
第2段階:本人確認(eKYC)スマホカメラで本人確認書類と顔写真を撮影して提出、事業者側の審査マイナンバーカードや運転免許証撮影約5分+審査(即日〜翌営業日)
第3段階:日本円の入金暗号資産交換業者の口座へ銀行振込や即時入金で日本円を入れる本人名義の銀行口座(ネットバンキングなど)数分〜数十分(振込方法による)
第4段階:銘柄の選択と注文買いたい暗号資産を選び、取引窓口(販売所または取引所)で注文を出す入金済みの取引アカウント約1〜3分(即時約定)

暗号資産の売買を取り扱う事業者は「暗号資産交換業者」と呼ばれ、日本国内で営業するには資金決済法に基づき金融庁・財務局への登録が必要です。法規制に則って運営されているため、銀行口座や証券口座を作るときと同様、氏名や住所の入力と公的な身分証による本人確認が法律上義務付けられています。


2. 各段階でやることと具体的な手続き

各段階の目的を理解しておくと、途中で入力内容に迷ったり書類の不備で審査が長引いたりするのを防げます。

第1段階:アカウント登録と基本情報の入力

まずは利用したい暗号資産交換業者の公式サイトや公式スマートフォンアプリから、アカウントの開設手続きを始めます。

  • メールアドレスとパスワードの登録:入力したメールアドレス宛に届く確認コードやリンクを開き、認証を行います。
  • 2段階認証の設定:SMS(ショートメッセージ)や認証アプリ(Google Authenticatorなど)を使ってセキュリティ認証を設定します。暗号資産口座の不正ログイン被害を防ぐための必須設定です。
  • お客様基本情報の入力:氏名、フリガナ、生年月日、現住所、職業、年収、主な資金の性格(余裕資金か生活資金か)、投資経験などを画面の指示に従って正確に入力します。

第2段階:本人確認(eKYC)と審査

基本情報を入力したら、本人確認書類を提出します。「犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)」に基づき、本人確認が完了しなければ取引を開始できません。

  • スマホで本人確認(eKYC):スマートフォンのカメラを使い、本人確認書類の表面・裏面・厚みと、自身の顔写真(セルフィー)や指定の動きを撮影して送信する方式です。書類の郵送を待つ必要がなく、早ければ数時間から当日中に審査が完了します。
  • マイナンバーカードのIC読み取り(公的個人認証):対応アプリでマイナンバーカードをスマホにかざし、署名用パスワードを入力して認証する方式です。撮影の失敗が少なく、より短時間で承認される傾向があります。
  • 審査完了通知:審査が完了すると、メールやアプリ上で口座開設完了の通知(または開設コード)が届き、ログイン後の機能制限が解除されます。

第3段階:日本円の入金

口座が開設されたら、暗号資産を購入するための原資となる日本円を交換業者の口座へ入金します。

  • 銀行振込:利用者ごとに割り振られた専用の振込先口座(GMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行など)宛に、手持ちの銀行口座から振込を行います。同行宛てなら土日祝日でも即時反映されるケースが多く、振込手数料は自身の銀行の無料回数枠を活用できます。
  • 即時入金(クイック入金):提携するネットバンキングと連携し、24時間リアルタイムに入金を行う仕組みです。交換業者側の入金手数料は無料であることが多いですが、後述する「資金移動制限」の対象になることがあります。
  • コンビニ入金:コンビニエンスストアの端末等で現金を支払う方法ですが、入金手数料が数百円単位で発生することが多く、コスト面からはあまりおすすめできません。

第4段階:銘柄の選択と注文の実行

アカウントの日本円残高に入金が反映されたら、いよいよ暗号資産を購入できます。

  • 窓口の確認(販売所か取引所か):多くの事業者では、アプリを開くと「販売所」と「取引所(板取引)」の2つの窓口があります。販売所は数量を入れてボタンを押すだけで即座に買えますがスプレッド(実質的な手数料)が含まれます。取引所は板を見て注文を出すため最初は少し慣れが必要ですが、コストを大幅に抑えられます。
  • 注文方法の指定:価格を指定せず現在の相場で即座に買う「成行(なりゆき)注文」か、買いたい上限価格を指定して待つ「指値(さしね)注文」を選びます。
  • 約定の確認:注文が成立(約定)すると、日本円の残高が減り、購入した暗号資産の残高がアカウントのウォレットに反映されます。

3. 初心者が途中で詰まりやすい3つの注意点

初心者がつまずきやすいポイントのチェックリスト

  • × 家族名義の銀行口座から振込を行ってしまう(名義不一致で着金保留になる)
  • × クイック入金後すぐに外部へ送金しようとする(マネロン対策で数日間の出金制限がかかる)
  • × 販売所の「手数料無料」の文字だけを見て大金を一度に買ってしまう(スプレッド負担が大きい)
  • ○ 最初は本人名義の銀行から千円程度の少額を振り込んで反映を確認する
  • ○ 買う前に「販売所」か「取引所」かを確認し、コストの仕組みを意識する

口座開設から購入までの流れ自体はシンプルですが、初心者が予期せず手が止まってしまう典型的な落とし穴が3つあります。

① 振込人名義の不一致による着金保留

最も多いトラブルの一つが「振込人名義の間違い」です。暗号資産交換業者への入金は、口座開設者本人の名義と完全に一致する銀行口座からでなければ受け付けられません

家族名義の口座からの振込や、旧姓のままの口座からの振込は、マネー・ローンダリング防止規程によりシステムで自動検知され、入金が保留されます。保留を解除するには組み戻し手続き(手数料自己負担)や名義確認の書類提出が必要となり、反映までに数日以上かかることがあります。

② 入金方法による「資産移動(送金・出金)制限」

即時入金(クイック入金)やコンビニ入金を利用した場合、犯罪収益移転防止や不正利用防止の観点から、入金した相当額の暗号資産や日本円について、一定期間(概ね7日間程度)外部への送金や日本円出金が制限されるルールが設けられている交換業者が一般的です。

「買ってすぐに別のプライベートウォレットに送金したい」「すぐに決済で使いたい」という場合、即時入金を選ぶと一定期間動かせなくなることがあります。通常の銀行振込であればこうした制限がかからない業者が多いため、用途に応じて入金手段を選ぶ必要があります。

③ 販売所のスプレッド(実質手数料)の存在

アプリの案内に「取引手数料無料」と書かれていても、それが「販売所」の画面であれば、買値と売値の差額であるスプレッドが含まれています。

特に暗号資産の値動きが激しい時間帯や、取引量の少ないマイナーな銘柄では、買値が市場レートよりも数パーセント高く設定されていることがあります。最初は数十万円などの大きな金額を一気に買うのではなく、数百円〜千円程度の少額で画面の動きとコスト感を確かめるのが確実です。


4. 今日そのまま真似できる確認・準備の再現手順

まずは少額・1ステップずつ進めるのが鉄則。 失敗しても家計に影響が出ない金額で手順をなぞります。

暗号資産の購入を実際に試してみる場合、今日すぐ実行できる安全な進め方は次の通りです。

  1. 本人確認書類と本人名義口座を準備する:マイナンバーカードまたは運転免許証を手元に用意します。また、暗号資産交換業者に登録する氏名と完全に一致している自分名義の銀行口座(ネットバンキングが使える口座)を確認します。
  2. 金融庁の登録業者であることを確認する:利用を検討しているサービスが、金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」に掲載されている正規の事業者か確認します。無登録業者や怪しい投資勧誘サイトの利用は避けてください。
  3. スマホで本人確認(eKYC)を申請する:公式アプリから口座開設を申し込み、カメラで書類と顔を撮影して提出します。室内の明るい場所で、反射やピンぼけが起きないように撮影すると審査落ちを防げます。
  4. ネット銀行から少額(1,000円程度)を振り込む:口座開設の完了通知が届いたら、指定された振込先口座宛に少額を振り込みます。振込名義人に依頼人コードの付加が指定されている場合は、忘れずに入力します。
  5. 残高反映を確認し、最小単位で注文を試す:アプリ上の日本円残高に入金が反映されたら、取引所(板取引)の画面を開き、最低取引単位(数百円〜千円程度)で買い注文を出してみます。注文が約定し、保有資産一覧に反映される流れを確かめて完了です。

まとめ:段階を分けて1つずつ確認しながら進める

口座開設から購入までの要点整理

「申込 → 本人確認 → 入金 → 注文」の4段階。
名義一致の確認と、最初は千円程度の少額でテストすることが安全への近道です。

暗号資産を購入する手続きは、仕組みを一度理解してしまえばそれほど複雑なものではありません。しかし、焦っていきなり多額の資金を投入したり、本人確認や入金のルールを知らずに進めたりすると、思わぬところで手続きが止まってしまいます。

「まずは口座を開設して審査を通す」「次に少額を振り込んでみる」「最小単位で注文の仕組みを体験してみる」というように、段階を分けて1つずつ確認しながら進めることが、リスクを最小限に抑える一番の方法です。

暗号資産を「保有する」とは技術的にどのような状態を指すのかを整理したい方は、台帳と残高の仕組みを解説した暗号資産を持っているとは何かや、秘密鍵の役割をまとめた暗号資産のウォレットとは何かもあわせてご覧ください。

暗号資産のようなリスク資産に向き合う前に、生活コストを整えて無理のない投資原資を作る家計戦略については、投資原資が増えない時代の家計戦略で全体像を整理しています。

出典:金融庁「暗号資産・電子決済手段関係」一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)GMOコイン「口座開設の流れ」Coincheck「暗号資産(仮想通貨)の始め方・買い方」。各社の手数料体系やサービス仕様は最新の公式情報をご確認ください。

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