Solanaのトークンは誰でも作れる?実演で分かった費用とできること
2026年10月9日・ためてこ編集部
「トークンは誰でも作れる」と聞くと、無料で簡単に、すぐ価値のあるコインができるように見えるかもしれません。実際に分けて考えたいのは、発行の操作ができることと、そのトークンに使い道や価値があることです。これは別の話です。
この記事の結論
Solanaの標準的なトークンは、開発環境で発行操作を試せます。ただし、今回の記録はローカル検証環境での実演で、mainnetでの費用や売買価値を示すものではありません。2026年8月24日の費用記録では、名前付き発行に必要な額は約111円相当でしたが、その大半は口座を閉じたとき返る預り金でした。
「誰でも作れる」と「誰でも価値を作れる」は違う
Solana公式ドキュメントには、SPLトークンの作成や管理の手順が公開されています。つまり、トークンを発行する操作自体は特別な金融免許を持つ人だけのものではなく、必要な知識と環境があれば試せます。
ただし、発行できたという事実だけでは、買い手がいること、交換できること、価格が付くことは分かりません。発行と価値を同じものとして扱わないのが出発点です。
| 確認すること | 発行操作だけで分かるか |
|---|---|
| トークンの口座を作れた | ○ 分かる |
| 名前やシンボルを設定した | ○ 設定した場合のみ |
| 買い手や利用先がいる | × 分からない |
| 売りたい時に売れる | × 分からない |
| 表示された価値で現金化できる | × 保証されない |
発行に必要だった額の多くは、手数料ではなかった
手元の記録は2026年8月24日、solana-bankrun 0.4.0のrentパラメータから計算したものです。SOLの円換算には、同じ記録に記載された2026年8月10日〜24日の価格中央値、1 SOL=12,150円を使っています。これは当時の換算例で、現在の相場を示す数字ではありません。
| 項目 | 記録上の額 | 扱い |
|---|---|---|
| mint口座 | 0.0014616 SOL | 口座を閉じれば返却可 |
| 保管口座1つ | 0.00203928 SOL | 口座を閉じれば返却可 |
| 名前・シンボル用口座 | 0.00561672 SOL | 口座を閉じれば返却可 |
| 記録された取引手数料 | 0.000015 SOL | 消費された額 |
| 名前付き発行の合計 | 0.0091326 SOL | うち0.0091176 SOLは返却可能額 |
この合計を記録時の換算値で計算すると約111円相当です。一方、名前・シンボル用口座を作らない場合、記録の内訳から計算した合計は0.00351588 SOL、約43円相当です。内訳から再計算できる値だけを載せています。
また、別の実演記録ではローカル検証ノード上で10手順を動かし、合計0.005585152 SOL、そのうち手数料として記録されたのは0.000045 SOLでした。これはSolana mainnetで支払った実績ではありません。口座の預り金と手数料を混ぜて「発行に111円かかる」とだけ読むと、実際に消える額を大きく見誤ります。
発行者に残る権限も、先に確認したい
実演記録では、発行者が後から供給を10倍にすると、保有者の枚数は変わらなくても総供給に対する持ち分が1%から0.1%に下がりました。また、freeze権限を持つ発行者が保有者の口座を凍結すると、記録上その口座からの送金操作は止まりました。
一方で、mint権限とfreeze権限を放棄した後は、同じ記録で追加発行と凍結の操作が失敗しています。これはローカルの実演で確認した挙動で、すべてのトークンが同じ権限設定だという意味ではありません。個別のトークンを見るときは、発行者の説明文だけでなく、権限が現在どう設定されているかを確認する必要があります。
○×チェック
- ○ 発行にかかった額を、預り金と手数料に分けた
- ○ 実演環境がmainnetか開発用かを確認した
- ○ mint権限・freeze権限の状態を確認した
- × 発行できたことだけで、価値や換金性があると判断した
調べるだけなら、売買せずにここまで確認できる
トークンの発行体や権限を調べるだけなら、購入する必要はありません。まず公式資料と公開情報を読み、分からない項目を残したままにします。
- Solana公式のSPL Token Basicsで、mintとトークン口座の用語を確認する。
- 対象トークンのmintアドレスを、発行体の公式案内など信頼できる経路から確認する。
- エクスプローラー等でmint authorityとfreeze authorityの表示を確認する。表示の意味が分からなければ判断を保留する。
- 「発行できる」「取引されている」「換金できる」を別々の事実として記録する。
- 費用を調べるときは、対象ネットワーク、必要口座、返却可能額、実際の手数料を分けて公式情報で確認する。
| 確かめること | 見る場所 | 分からないときの扱い |
|---|---|---|
| 発行の事実 | 対象トークンのmintアドレスと、発行体の公式案内 | 発行できたことは、価値や取引の証拠にならない |
| 発行者の権限 | エクスプローラー等のmint authority・freeze authority表示 | 表示の意味が分からなければ判断を保留する |
| 取引・換金 | 取引されている場所と、その公開情報 | 「取引されている」「換金できる」は別の事実として記録する |
| 費用 | 対象ネットワーク・必要口座・返却可能額・実際の手数料の公式情報 | 預り金と手数料を分けて読む |
暗号資産の用語を順番に整理したい場合は、暗号資産の基礎ハブから、持つ場所や権限の説明を読めます。生活費を整えて投資原資を考える話は、投資原資づくりのハブにまとめています。
出典:Solana公式「SPL Token Basics」。費用・権限操作は sol-toybox の `history/mint-cost.json`(2026-08-24、solana-bankrun 0.4.0)および `history/phase1-onchain.json`(2026-08-24、ローカル検証ノード)の記録。円換算は同日の費用記録に記載された1 SOL=12,150円を使用。