生命保険・医療保険はどう見直す?公的保障を確認して削る順番
2026年10月13日・ためてこ編集部
保険料を下げたいと思っても、「何を残せばいいのか」が分からないまま解約するのは怖いものです。保険の一覧を眺めて、安い商品に乗り換えれば解決……とは限りません。健康状態や年齢によって、新しい契約に入れない、条件が付くこともあります。
この記事の結論
保険の見直しは、①公的保障を確認 → ②家族に必要な保障を整理 → ③契約を保障目的ごとに並べる → ④重複や不足を確認の順で進めます。新しい契約の保障開始や審査を確認する前に、今の保険を解約しないのが安全です。
保険料を下げる前に、公的保障を確認する
民間保険で備える金額を考える前に、すでに使える制度を把握します。公的医療保険には、医療機関などで支払う自己負担が一定額を超えたときに、その超過分が支給される高額療養費制度があります。制度の対象や手続きは加入する保険者に確認してください。
ただし、公的制度があるから医療費が一切かからない、という意味ではありません。対象外の費用や、療養中に収入が減ることへの備えは別に考える必要があります。制度の条件も変わることがあるため、具体的な上限額を古い記事だけで決めず、厚生労働省と加入先の最新案内を見ます。
| 確認するもの | 見直しで考えること |
|---|---|
| 公的医療保険 | 自己負担の仕組みと加入先の手続き |
| 勤務先の制度 | 休業時の給付や福利厚生の有無 |
| 預貯金 | 保険で備えず自分で負担できる範囲 |
| 民間保険 | 公的保障や貯蓄で足りない部分 |
「医療保険に入っているから安心」「公的保険があるから不要」と先に結論を決めず、何に備える契約なのかを分けて考えます。
生命保険は、誰の生活費を守る契約かで考える
死亡保障を検討するときは、万一の後に生活費を必要とする人がいるか、その人の生活を何で支えられるかを整理します。生命保険文化センターは、必要保障額の算出方法や保障の種類を生活設計情報として案内しています。家族構成だけで一律の金額を決めるのではなく、遺族の収入、貯蓄、公的給付、住居費などを見て不足分を考える方法です。
| 状況 | 棚卸しの問い | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 扶養する家族がいる | 誰の、いつまでの生活費を守るか | 必要額は時間とともに変わる |
| 扶養する人がいない | 葬儀費用など何を目的にするか | 目的が曖昧なまま大きな保障を継続していないか |
| 住宅ローンがある | 団体信用生命保険などの保障範囲は何か | ローン契約と保険契約の対象・条件 |
死亡保障と医療保障は目的が違います。ひとつの保険に複数の特約がまとまっている場合も、主契約を解約すると特約も消えることがあります。契約単位でなく、保障の目的単位で見てください。
契約一覧を作ると、重複と不足が見える
保険証券や契約者向けページを開き、家族分も含めて一枚の表に転記します。保険料だけを比較すると、何の保障をいくら買っているのかが抜け落ちます。
| 契約ごとに書く項目 | 見る理由 |
|---|---|
| 契約者・被保険者 | 誰の保障か、誰が保険料を払うか |
| 保障の目的と金額 | 死亡・入院など、同じ目的の保障が重なっていないか |
| 保障期間・更新時期 | いつまで続き、更新後に条件がどうなるか |
| 月額保険料・払込期間 | 支出と支払いが終わる時期を把握する |
| 解約返戻金・特約 | 解約時の受取額や、同時に消える保障を確認する |
複数契約の保障が同じ目的を重ねていれば整理候補です。一方、家族の収入を支える死亡保障など、必要な保障を保険料だけ見て削るのも避けます。「この保障がなくなったら、誰が何に困るか」を一行で説明できるか確認しましょう。
今日できる見直しの手順
見直しは、解約届を出すところから始めなくて大丈夫です。まず現状を見える形にし、分からない条件は保険会社や公的窓口に確認します。
- 保険証券と契約者ページから、家族全員の契約を一覧にする。
- 高額療養費制度や勤務先の給付など、公的・職場の保障を確認する。
- 扶養家族、住居費、貯蓄を見て、必要な保障の目的と期間を言葉にする。
- 保障目的ごとに既存契約を並べ、重複・不足・更新時期を印で示す。
- 解約返戻金、特約の扱い、新しい契約の審査と保障開始時期を保険会社に確認する。
- 確認が済んでから、継続・減額・特約整理などの選択肢を比較する。
新しい契約を検討するなら、申込みが通ったか、保障がいつ始まるか、告知や免責などの条件を確認してから現在の契約を動かします。金融庁の「保険契約にあたっての手引」も、契約概要や注意喚起情報を読んで必要な保障を検討するよう案内しています。
解約を急がず、分からない点を確認する
保険の見直しは、保険料を減らす競争ではありません。必要な保障を残し、目的が重なった契約や今の生活に合わない部分を整理する作業です。健康状態によっては現在の契約を手放すと戻せないこともあり、解約返戻金が払込保険料を下回る場合もあります。迷う契約は、保障内容と解約時の扱いを書面で確認してから判断しましょう。
| 確認が済むまで保留したい項目 | 確認先 |
|---|---|
| 保障額・特約・更新条件 | 保険証券、保険会社 |
| 公的医療制度の対象や手続き | 厚生労働省、加入している医療保険者 |
| 必要保障額の考え方 | 生命保険文化センターの生活設計情報 |
固定費全体の棚卸しもしたい場合は、投資原資を作る家計戦略のハブも参考になります。保険料だけでなく、毎月の支出を目的ごとに見直す入口として使えます。
出典:金融庁「保険契約にあたっての手引」/厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」/生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」。制度・契約条件は各公式案内と加入先で最新情報をご確認ください。