SOL(ソラナ)を国内取引所で買うと実際いくらかかる?販売所と板の差・手数料・約定を実測
2026年8月25日・ためてこ編集部
この記事は、取引所の口座がすでにあり、板で注文を出したことがある人向けです。板・指値・Maker/Takerなどの用語から知りたい場合は、基礎から順に別途書いていきます。
この記事では、暗号資産を他の節約記事とは分けて扱います。このサイトの他の記事が扱う「固定費を削る・ポイントを取り切る」は、やれば手元の金が減らない話です。暗号資産は手元の金が減りうるため、性質がまったく違います。固定費やポイントの話と、暗号資産を保有・売買する話は分けて記録します。
運営者は SOL を毎月積み立てています。構造的な利益相反があるため、価格・値上がり・見通しの話は一切書きません。書くのは、価格が上下しても変わらない部分——手数料・所要時間・詰まった場所・失敗だけです。
1. 価格ではなく、実測の履歴を記録する
暗号資産の解説は無限にあります。ただ、その大半は「いくらになるか」の話で、実際に日本の取引所で触ったときに何がどれだけかかるかを、日付つきで記録し続けているものはほとんどありません。
この記事は、GMOコインで月3,000円の自動積立を回しながら、同時に板(オーダーブック)を1日4回記録しているログを土台にしています。過去のデータは後から作れません。そのため、実際に観測・約定した履歴を日付つきで残します。
手数料率をどれだけ調べても、販売所で買っている限り取り返せません。内訳は6章に出します。
2. どこで買うかでコストがほぼ決まる——販売所・板・指値
国内の取引所には、業者が提示する価格で売買する販売所と、利用者どうしの注文が並ぶ取引所(板)があります。同じ銘柄でも、販売所を使うか板を使うかでコストが変わります。
板には、注文を「place(置く)側」と「take(取る)側」があり、置く側は Maker、取る側は Taker と呼ばれます。GMOコインの取引所(現物)では Maker 手数料がマイナス=リベートで、率は銘柄グループで違います。
| SOL | BTC | |
|---|---|---|
| Maker 手数料(公式) | -0.03%(リベート) | -0.01%(リベート) |
| 最小の注文単位 | 0.01 SOL | 0.0001 BTC |
| 「置く側」を確定させる注文 | Post Only(取る側になるなら約定させずに取り消す指定) | |
つまり率だけ見れば SOL のほうが有利です。ただし、これは「率」の話でしかありません。次章では、板のスプレッドを含めて確認します。
3. 14日ぶんの実測では、SOLはリベートが有利だがスプレッドで不利だった
板を並べて記録すると、率の有利不利とは別の要素が出てきます。最良の買い気配と売り気配の差(スプレッド)です。ここは手数料表には載りません。
| 中央値(n=56・2026-08-10〜08-24の14日) | SOL | BTC |
|---|---|---|
| 相対スプレッド | 0.0084% | 0.0015% |
| Maker リベート | 0.03% | 0.01% |
| 最良買い気配の待ち行列(円換算) | 約 9.9万円 | 約 10.2万円 |
SOL はリベートが3倍有利な一方、相対スプレッドは約5.6倍広い。少額を1回置くだけの積立では、この差はどちらも数円のオーダーで、体感には出ません。
🔧 前言の訂正:1点だけ見て出した所見は、14日ぶんの記録で覆りました
観測を始めた初日、「SOL は最良買い気配の待ち行列が厚い(=順番待ちが長い)」という所見を出しました。これは1回の観測から出した誤りです。14日ぶんの中央値を円に換算すると SOL 約9.9万円・BTC 約10.2万円で、ほぼ並びます。数量の単位が違う銘柄を、数量のまま比べたのが原因でした。
4. 実際に約定したリベートは1円未満で、受け取りは0円だった
2026-08-11、指値(Post Only)で置いた注文が両方とも約定しました。その記録がこれです。
| サイクル | 置き方 | SOL の手数料 | BTC の手数料 |
|---|---|---|---|
| 2026-07 | 取る側(Taker) | ¥2 | ¥2 |
| 2026-08 | 置く側(Maker・Post Only) | ¥0 | ¥0 |
約定額はSOLが約1,940円。-0.03% のリベートは0.58円で、円建ての最小単位に届かず受け取りは0円になりました。この約定では、手数料もリベートも発生しませんでした。
ここが、率の表だけを見ていると出てこない部分です。月3,000円の積立という規模では、リベートは損得ではなく「手数料を払わない状態」を作るための仕掛けとして働いています。率で選ぶ意味が出るのは、1回の約定額がもっと大きくなってからです。
5. まだやっていないこと
この記事では、まだ検証できていない項目も隠さず出します。検証できた項目は、今後この記事に追記します。
✅ もう記録がある
- 板で買う(販売所との違い・Post Only・リベートの実際)
- 自動で積み立てる仕組みと、止まった場所
- 板の時系列そのもの(1日4回・継続中)
❌ まだ手を動かしていない
- 送る——取引所から自分のウォレットへ。何分かかり、どこで詰まるか
- 使う——決済やオンチェーンで実際に何ができるか
- 戻す——円に戻すまでの手順と、各段でかかるもの
- 納める——雑所得の計算で手が止まる場所(作業記録として。税務相談ではありません)
- 比べ続ける——販売所の買値と売値の差を、板と同じ頻度で記録する(2026-08-25 から1日4回の記録に加え、14日ぶんの中央値を6章に入れた。記録は続けている)
6. 「手数料無料」と書いてある入口を選ばない
14日ぶんの観測と2サイクルの約定から、実際に手が動く結論はひとつだけです。同じ会社の同じ銘柄でも、販売所ではなく取引所(板)で、成行ではなく指値(Post Only)で置く。
ここが引っかかりやすいところで、GMOコインの公式手数料表では、販売所の取引手数料は「無料」と書かれています。取引所(現物)のほうは Maker -0.03% / Taker 0.09% と率が並びます。数字だけを見比べれば、無料と書いてある販売所のほうが安く見えます。
⚠️ 手数料表に出てこないコストがある
販売所の負担は取引手数料ではなく、買値と売値の差に入っています。手数料表はこの差を載せていないので、表を突き合わせても比較になりません。「無料」は「かからない」ではなく「その欄には書かれていない」という意味です。
差がどれくらいかは、両方の価格を同じ瞬間に取れば分かります。2026年8月25日18時05分(JST)、GMOコインが自社サイトに配信している販売所レートと、取引所の板を同時に取得しました。その後も同じ取得を1日4回続け、2026年9月12日までに63回ぶん溜まっています。下の表の上3行は初日の1回、4行目が63回の中央値です。
| SOL・同一時刻 | 販売所 | 取引所(板) |
|---|---|---|
| 買うときの値段 | 16,439円 | 15,951円 |
| 売るときの値段 | 15,419円 | 15,950円 |
| その差(相対スプレッド)・8/25の1回 | 6.40% | 0.0063% |
| その差・14日の中央値(63回) | 6.40% | 0.0065% |
| 取引手数料(公式) | 無料 | Maker -0.03% / Taker 0.09% |
- 販売所で買う → 0.182493 SOL
- 板で買う → 0.188076 SOL
- 差は 0.005583 SOL。同じ3,000円で買える量が約3.0%少なくなります(この時の値段で約89円ぶん)。毎月続ければ年に約1,069円
- 14日の中央値で計算し直すと約3.1%(約92円・年に約1,100円)。63回のうち最も小さかった時で2.9%、最も大きかった時で3.2%でした
4章で測ったMakerリベートは0.58円でした。入口をどちらにするかは、リベートの約150倍(14日の中央値では約160倍)効きます。手数料率を比べる前に、まず販売所か板かで結果が決まっています。
最初はこの1点しかなかったので、ここには「1点の観測なので、溜まったら中央値に置き換える」と書いていました。この記事は3章で、1点だけ見て出した所見を14日ぶんの記録でひっくり返しています。同じことを繰り返さないよう、販売所のレートも板と同じ1日4回の記録に加え、63回ぶん溜まったところで表の4行目に入れました。販売所の差は63回とも6.39〜6.41%に収まっていて、初日の6.40%はたまたまではありませんでした。
板のほうは動きます。63回のうち30回は差が0.01%を超え、最も開いた時は0.10%でした。中央値の0.0065%は「いつもこの幅」という意味ではありません。それでも最も開いた時で販売所の約60分の1なので、入口の選び方は変わりません。
そして、板に指値を置く作業は毎月手でやる必要がありません。この記事の板の記録も約定の記録も、自作の積立プログラムが出した注文から取っています。入口を選ぶのは最初の1回で、あとは仕組みが回します。暗号資産について書けることの多くはすでに誰かが書いていますが、残っているのは実際に触った結果を日付つきで積み続けることだけです。積立は毎月動き、板は1日4回記録され続けます。
この記事の立場は「暗号資産をやるべき」でも「やめておけ」でもありません。期待できないものを期待できないと書き、面白かったものを面白かったと書くために、まず自分で触って記録している——それだけです。うまくいかなかった記録も、消さずにここへ足します。
出典:手数料率はGMOコイン公式「手数料」(取引所・現物)。板の観測値・約定記録は運営者が実際に運用している自動積立の記録(2026-08-10〜08-24、SOL/BTC 各56点)から算出。6章の販売所と板の比較は、GMOコインが自社サイトへ配信している販売所レート(coin.z.com/api/v1/master/getCurrentRate.json)と取引所の板を、2026-08-25 18時05分(JST)に同時取得した値。数値は記事作成時点のもので、更新時に取り直します。