医療費控除はいくらから?申告前に見る計算方法と手順
2026年10月18日・ためてこ編集部
病院や薬局の領収書をまとめてみたら、思ったより医療費が多い。けれど「10万円を超えないと医療費控除は使えない」と聞いて、そこで止まる人もいると思います。私も税金の書類は、名前が似た欄を見つけただけで一度お茶を入れたくなります。
この記事の結論
医療費控除の目安は、支払った医療費から補てん金と基準額を差し引いて確認します。基準額は原則10万円ですが、総所得金額等が200万円未満ならその5%です。控除額がそのまま戻るわけではないので、まず対象になりそうか計算し、申告するなら国税庁の最新案内に沿って明細を作りましょう。
「10万円を超えたら戻る」ではない
国税庁の医療費控除の計算では、本人または生計を一にする配偶者・親族のためにその年中に支払った対象医療費から、保険金などで補てんされる金額を差し引き、さらに基準額を引きます。基準額は10万円と総所得金額等の5%のいずれか少ない方で、控除額の上限は200万円です。
そのため、総所得金額等が200万円未満の人は、支払額が10万円以下でも控除額が出る場合があります。逆に、医療費が基準額を超えた額が、そのまま現金で戻ってくるわけではありません。医療費控除は所得から差し引く「所得控除」です。実際の税額への影響は所得やほかの控除などで変わるため、この記事では一律の還付額を約束しません。
| 確認するもの | 計算上の扱い |
|---|---|
| その年に実際に支払った対象医療費 | 合計に入れる |
| 保険金・高額療養費など補てん金 | 対応する医療費から差し引く |
| 差し引く基準額 | 10万円、または総所得金額等の5%の少ない方 |
| 控除額の上限 | 200万円 |
対象になる費用かどうかは、診療内容や通院の事情などで変わります。迷う費目を自己判断で広げず、国税庁の対象範囲の説明や確定申告書等作成コーナーで確認してください。
申告前に集めるもの
医療費控除を受けるには、確定申告で医療費控除の明細書を作成します。領収書は明細書の作成に使い、提出後も自宅で保管します。医療費通知やマイナポータル連携を利用できる場合もありますが、通知に反映されない支払いがないか、補てん金の入力が必要かを確認します。
家族分を合算する場合は、誰のために支払った費用か、支払った年はいつかを分けておきます。未払いの費用は支払った年分の対象です。また、給付金がまだ確定していないときの見積もりなど、細かな扱いは国税庁の案内に従います。判断に迷う金額や対象範囲が残るなら、税務署や税理士に相談するのが安全です。
| 集めるもの | 何に使うか |
|---|---|
| 領収書(病院・薬局) | 医療費控除の明細書の作成に使う。提出後も自宅で保管する |
| 医療費通知・マイナポータル連携の情報 | 支払額の確認。通知に載らない支払いがないかを見る |
| 保険金・高額療養費などの補てん金の記録 | 対応する医療費から差し引く |
| 家族分の支払先・支払った年の記録 | 誰のための費用か、どの年分かを分けて合算する |
今日できる再現手順
- 対象年を決める。暦年ごとに、実際に支払った医療費を分ける。
- 家族分の記録を集める。領収書、医療費通知、マイナポータル連携の情報を集め、同じ支払いを二重に数えない。
- 補てん金を対応づける。保険金や高額療養費などを、対象となった医療費ごとに整理する。
- 基準額と比べる。総所得金額等の5%と10万円を比べ、少ない方を基準に概算する。
- 申告する場合は公式画面で仕上げる。国税庁の確定申告書等作成コーナーで、その年分の入力方法・対象費用・提出方法を確認する。
- ○ 控除額と還付額を同じものとして考えていない
- ○ 補てん金を対応する医療費から差し引いた
- ○ 領収書や通知の保管方法を確認した
- × 医療費が10万円未満だからと、所得が200万円未満かを見ずに対象外と決めつけた
ふるさと納税のワンストップ特例を使った人は注意
医療費控除を申告するため確定申告を行う場合、ふるさと納税の寄附金控除も申告に含める必要があります。ワンストップ特例を申請済みでも、確定申告をすると特例申請は無効になるためです。寄付先の受領証明書や電子データも一緒に確認しましょう。
| 状況 | 確認すること |
|---|---|
| 医療費控除を申告しない | ワンストップ特例の申請条件と手続き |
| 医療費控除で確定申告する | ワンストップ申請分を含め、寄付分も申告 |
申告は「医療費だけ追加すれば終わり」と思うと、別の控除を落としやすいところです。ふるさと納税をしている場合の分かれ目は、ワンストップ特例と確定申告の手順にもまとめています。家計全体の見直しは投資原資を作る家計戦略の目次から確認できます。
医療費が多い年でも、申告した方が得かは所得や補てん額などで変わります。まず記録を整えて公式の計算に当てはめ、条件が読み取れないところだけ確認する。この順なら、領収書の山を眺めて固まる時間を少し減らせます。
出典:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」「医療費控除を受ける方へ(令和7年分 確定申告特集)」。個別の対象費用・入力方法は申告する年分の国税庁案内でご確認ください。