Macは本当に高いのか? 買値ではなく「月あたりの持ち出し」で計算し直す
2026年8月1日・ためてこ編集部
「Macは高い」——これは、ほとんどの場合買値だけを見て言われています。
持ち物のコストは、買った金額ではなく「買値 − 手放すときに戻る金額」で決まります。この引き算をすると、Macは一般に思われているより、ずっと安い買い物であることが分かります。
買取業者が公表している実際の買取価格を使って、計算し直してみます。
この記事の結論
- MacBook Air M4(実売約15万円)は、1年半後でも中古買取11.1万円。持ち出しは月2,000円台
- 値落ちが速いのは最初の1年だけ。2年目以降のカーブは非常に緩やか
- 6年前のM1 MacBook Airでも、まだ4〜5万円で売れる。これがWindows機との最大の差
- だから「毎年買い替える」も「長く持ち続ける」も、どちらも成立する。損なのは中途半端に持て余すこと
買取実額を世代ごとに並べてみる
まず事実から。買取業者が公表している MacBook Air の買取価格です(2026年7月末時点・13インチ256GBモデル)。
| 世代 | 発売 | 経過年数 | 中古買取(美品) |
|---|---|---|---|
| M4(16GB) | 2025年3月 | 約1年5か月 | 111,000円 |
| M3(8GB) | 2024年3月 | 約2年5か月 | 80,000円 |
| M2(8GB) | 2022年7月 | 約4年 | 72,000円 |
| M1(8GB) | 2020年11月 | 約5年9か月 | 55,000円 |
出典:イオシス買取「MacBook Air 買取価格表」。いずれも状態の良い中古の上限値。状態ランクが下がると M4 で78,000円、M1 で39,000円まで下がります。
この表で注目すべきは M2 と M3 の差が8,000円しかないことです。発売時期は1年8か月も違うのに、買取価格はほとんど変わりません。
つまりMacの値落ちは、最初の1〜2年で起きて、その後は驚くほど緩やかになります。そして6年近く前のM1でも、まだ5万円台の値がついています。
月あたりの持ち出しに直すと
MacBook Air M4(16GB/256GB)の実売価格は、2026年8月時点でおよそ153,980円です(出典:プライスランク「MacBook Air 13インチ M4 2025 価格比較」の新品最安値、2026年8月1日確認)。これを買って、1年5か月後に111,000円で売った場合を計算します。
※ Appleの公式ストアでは2026年時点の現行モデルはM5世代に切り替わっており、MacBook Air 13インチ(M5・16GB/256GB)の販売価格は224,800円です(出典:Apple公式サイト「Macを購入」、2026年8月2日確認)。本記事で試算に使っているM4は前世代モデルで、家電量販店・ECサイトなどの新品在庫として値引き販売されている価格です。ここで示す「買値−売値」の計算方法自体は、どの世代のMacを買う場合でも同じように使えます。
買値
153,980円
売値(1年5か月後)
−111,000円
実際の持ち出し
42,980円
= 月あたり約2,530円
15万円の買い物が、月2,530円のサブスクになりました。動画配信サービス2つぶんくらいです。
2年持った場合も見てみましょう。M3が2年5か月で80,000円ですから、同じくらいの値落ちを想定すると——
| 保有期間 | 想定の売値 | 総持ち出し | 月あたり |
|---|---|---|---|
| 1年5か月 | 111,000円 | 42,980円 | 約2,530円 |
| 2年5か月 | 80,000円 | 73,980円 | 約2,550円 |
| 4年 | 72,000円 | 81,980円 | 約1,710円 |
どの持ち方をしても、月あたり1,700〜2,550円の範囲に収まります。1年半で乗り換えても、4年使い倒しても、月々のコストはほとんど変わりません。
これは「どちらが正解か」を選ぶ必要がない、ということでもあります。新しいものを使いたければ短く回せばいいし、気に入ったものを長く使いたければそうすればいい。どちらを選んでも月2,000円前後です。
売らずに持ち続ける場合も、実はいちばん有利
ここまでは「売ること」を前提に計算しました。では、売らずに手元に置いておく場合はどうでしょうか。
この場合も、Macは他の選択肢より有利です。理由は単純で、いつ売っても値がつくからです。
6年近く前に発売されたM1 MacBook Airが、いまだに 39,000〜55,000円 で買い取られています。
これはWindowsノートと比べたとき、はっきり差が出る部分です。買取業者の解説によると、同世代の一般的なWindowsノートの買取価格は数百円〜数千円にとどまることが多く、発売から8年以上経つと値がつかないケースも珍しくありません。
ただし例外もあります。Panasonic の Let's note は耐久性の評価が高く中古需要があるため、発売から数年経過したモデルでも3万円台の値がつく例があります(例:CF-LV8シリーズ(2019年6月発売)が発売から約3年で35,000円。出典:ヒカカク!記事内のラクウル買取実績データ、2022年7月時点)。「Windowsだから値がつかない」のではなく、値持ちする機種が限られている、というのが正確です。
※ NEC VersaPro・富士通LIFEBOOKなど法人向け個別ブランドの残価水準については、一次情報で確認できなかったため本文から削除しました(確認日:2026年8月1日)。
つまりMacを持っているということは、数万円ぶんの「いつでも現金化できる余力」を持っているのと同じです。使い続けてもいいし、急にお金が必要になったら売ってもいい。この選択肢があること自体が価値です。
買い替えのタイミングを逃しても、致命傷になりません。「売り時を逃した」と焦る必要がないのは、値落ちのカーブが緩やかな製品だけの特権です。
この計算が崩れる4つの条件
ただし、上の数字は誰にでも当てはまるわけではありません。次のどれかに当てはまると、計算は変わります。
| 条件 | どう変わるか |
|---|---|
| ❌ 状態が悪い | 同じM4でも、状態ランクが下がると買取は111,000円→78,000円。3.3万円の差。ケースと画面保護は、そのまま金額に効きます |
| ❌ 付属品を捨てた | 箱・充電器・ケーブルの欠品は減額対象。「どうせ使わない」と処分すると、売るときに効いてきます |
| ❌ 分割払いが残っている | 支払いが終わっていない端末は買取不可の業者が多い。売る前提なら一括か、支払い完了後に |
| ❌ 特殊すぎる構成 | 最上位構成は買値が跳ね上がるわりに買取が伸びにくく、残価率が落ちます。標準〜中位構成のほうが持ち出しは小さい |
逆に言えば、箱を取っておいて、ケースを付けて、標準構成を選ぶ。この3つを守るだけで、上の計算はほぼそのまま実現できます。特別なテクニックは要りません。
まとめ:買値ではなく持ち出しで比べる
- Macのコストは 買値 − 売値。この引き算をすると月2,000円前後に収まる
- 値落ちが速いのは最初の1〜2年だけ。M2(4年落ち)とM3(2年半落ち)の差は8,000円
- 6年落ちのM1でも4〜5万円。売らずに持っていても「現金化できる余力」が残る
- 短く回すのも長く使うのも月あたりのコストはほぼ同じ。好きなほうを選べる
- 箱を取っておく・ケースを付ける・標準構成を選ぶ。この3つで再現できる
「高いから買えない」と「高いけど持ち出しは小さい」は、まったく違う話です。他の買い物でも同じことが言えます——買値だけを見ていると、本当のコストを見誤ります。
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※ 買取価格は市況・状態・時期によって変動します。本記事の数値は2026年7月末〜8月時点で各社が公表していた実額であり、将来の買取価格を保証するものではありません。実売価格も販売店により異なります。
※ 個人事業主が事業用として購入する場合は、令和8年4月から拡大された少額減価償却資産の特例(40万円未満で一括経費化)が別途使えます。ただし免税事業者は税込判定になるなど条件があります。
出典:イオシス買取「MacBook Air 買取価格表」/スマスピ買取「MacBook Air 2025 Apple M4モデル 買取価格表」/プライスランク「MacBook Air 13インチ M4 2025 価格比較」/ヒカカク!「10年前・20年前の古い機種も売れる?ノートパソコンの買取価格一覧」